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前立腺肥大症の新しい手術


当院では、前立腺肥大症に対する新しい手術として 2019年9月から CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)を開始しました(中本博雄氏のご厚意による寄付で導入致しました)。筑豊地区で初めての導入になります。これまでは経尿道的前立腺切除術(尿道から内視鏡を挿入して電気メスで前立腺を少しずつ切除する手術)を行ってきましたが、レーザーを使用することで、出血の減少、術後の痛みの軽減、術後の尿道カテーテル留置期間の短縮が期待できます。近年欧米ではレーザーを用いた蒸散術が主流となっており、当院でもより安全で負担の少ない治療をおこなえるようになりました。前立腺肥大症で排尿にお困りの方、CVP に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。





CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)とは?

尿道から挿入した内視鏡を通してレーザーファイバーを挿入し、肥大した前立腺組織を蒸散することで尿道の閉塞を取り除き、排尿状態を改善します。前立腺組織にレーザーファイバーを接触させてレーザーを照射することで、前立腺組織に高熱を与え、組織中の水分や血液を瞬時に沸点に到達させ、組織を加熱気化させて消失させてしまう(これを蒸散といいます)最新で低侵襲の手術方法です。強い蒸散効果と止血効果によって、安全かつ効率的な手術が可能になります。


CVP の利点

  • 出血が少ない
  • 抗凝固療法中でも手術の検討が可能
  • 尿道カテーテル留置期間が短い(通常 1~2日)
  • 術後の痛みが少ない
  • 比較的早期に通常の生活に戻れる

前立腺とは? 前立腺肥大症とは?

前立腺は男性生殖器のひとつで精液の⼀部を作っています。精液中の 20%前後が前立腺液といわれており、精子を保護し精子の活動を活発にする役割を担っています。一般的な成人前立腺の大きさは約 20ml で、「クルミ大」と表現されます。前立腺肥大症は、この前立腺が肥大して大きくなることでさまざまな排尿に関する症状を引き起こす病気です。膀胱の出口で尿道を取り囲むように存在するため、前立腺が肥大すると尿道を圧迫してさまざまな症状がでてきます。治療としては、尿道の閉塞を緩和する、あるいは前立腺を縮小させる内服薬を用いることが多いですが、それでも症状の改善が思わしくないこともあります。このような場合、手術療法を検討します。これまでは尿道から挿入した内視鏡を用いて、尿道内腔から電気メスで肥大した前立腺組織を少しずつ切除する方法が一般的でしたが、近年欧米ではレーザーを用いた蒸散手術が主流となっています。当院も筑豊地区で初めてレーザー前立腺蒸散術を開始しました。強い蒸散力と止血効果を併せ持つため、以前の手術に比べて出血や術後の痛みが少なく、術後の尿道カテーテル留置期間も短くてすみます(通常 1~2日)。興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。




前立腺肥大症の代表的な症状

  • 尿が出にくい(排尿困難感)
  • 排尿時にいきむ(おなかに力を入れる)必要がある(腹圧排尿)
  • 膀胱内の尿を全て排出することができない(残尿感)
  • 頻繁に尿意をもよおす(特に夜間)
  • 急に尿意をもよおす(尿意切迫感)

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